A City Is Not A Tree
http://en.bp.ntu.edu.tw/wp-content/uploads/2011/12/06-Alexander-A-city-is-not-a-tree.pdf
建築家クリストファー・アレグザンダーが指摘した創造の原則
都市はツリーではない
多くのデザイナーが都市をツリーとして考えるのはなぜだろうか
(その理由は)思考法の習慣、おそらく人間の頭の働きそのものの
落し穴にかかっているのが原因だ。
ツリーは視覚的に頭に描きやすく扱いやすいが、
セミラティスは描きにくく扱いにくい。
人間が直感的(視覚的)に把握できる能力には限界がある。
(デザインの仕事の多くがツリー構造になってしまうのは)
複雑な問題をできるだけ簡単にしなければ理解できないという、
人間の思考能力に原因がある。
ツリーと比較してセミラティスは複雑な織物の構造である。
それは命あるもの、即ち偉大な絵画、交響曲の構造である。
セミラティス構造は重複性、不確定性、多様性などの性質をもち、
ツリー構造のように、アーティキュレイト、カテゴライズされていないが、
それは秩序を備えていて、ツリー構造と比較しても、
混乱していることは決してない・・・
関連
ツリー構造とセミラティス構造
クリストファー・アレグザンダーと知の水脈の継承
現実にアレグザンダーの方法論は必ずしも成功しませんでした。
彼の「パターンランゲージ」などの方法論は、ウォード・カニンガムとケント・ベックによりソフトウエア開発の世界に取り入れられ、大きな成果を生むこととなります。ケント・ベックは、建築の利用者と設計者とが一致する世界を求めながら、建築の詳細を最終的に決定するのは建築家であるという姿勢を崩さず、また一方で利用者は自分たちの建築に対する要求を伝える術を持たなかったことをアレグザンダーの失敗の原因と分析し、一方でソフトウエア開発における開発者と利用者はまだ固定的な関係に至っておらず、ソフトウエアで(エクストリーム・プログラミングにより)新たな社会構造を作る機会があると宣言しました。